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  不良債権問題
 
 05年3月末大手行の不良債権問題は一応解決したといわれている。本当にそうだろうか。確かに05年3月末、不良債権比率は目標4%以下が2.9%を達成し、クリアした。しかし、本当の不良債権問題の解決は、その時始まったばかりといった方が適切である。大手行の大手企業を中心とする不良債権は、債権放棄、DES、ファンドへの債権譲渡等により、債務償還年数等が大幅に改善し、上位遷移を果たし多くは正常債権になり、不良債権比率が減ったのである。

  しかし、大手企業の再建はまだその途上にある。財務リストラにより、確かに財務面での特に貸借対照表上の改善は進んだ。本業での業績が回復し、発展軌道に復帰して始めて債権が成就したといえるのである。その意味で再建はまさにこれからである。

  一方地方における不良債権、具体的には地方銀行、信用金庫、信用組合の不良債権問題は、今年が山場といわれている。確かにこれら地域金融機関の中には、不良債権問題を解決済みのところもあるが、多くはこれからである。

  企業再生、事業再生の本質は、企業そのものの業績の回復、収益力の向上にある。時代が変わり低成長時代を迎え、企業のビジネスモデル、仕組みの変換なしには、企業の長期的な成長はないのである。多様化時代の顧客にニーズに応えられるような仕掛け、仕組みを持った企業だけが生き残れるのである。

  そのためには、経営者が変わらなければならない。中小企業の多くは、オーナー経営であり、家業的なところも多い。経営を引き継ぐ人材もそう簡単に見つからない。経営者自らが変わり、強いリーダーシップを発揮して企業変革に取り組むことが重要である。経営者にその能力がないわけではない。やったことがないのである。高度成長時代、作れば売れた、品揃えすれば売れたのである。現在は、経営者がどうすれば売れるかをしっかり考え、実行し、従業員を引っ張っていくことが重要である。
 
【再生事例】
昭和15年設立の染色加工業があった。年商15億円の売上に対して借入金が30億円、最近は毎年経常利益が約10百万円の赤字であった。何時倒産してもおかしくない状況であった。その企業が、企業再建のコンサルティングを受けて見事に再建した。
  日本では、アジア勢の攻勢もあり、繊維産業は衰退の一途をたどっている。この企業も年々売上高が減少していた。過剰人員、過剰債務、過剰設備に中で日々の資金繰りにも苦しんでいる状況であった。
  この企業はコンサルティングを受け、再建計画に基づき、資産の売却等の財務リストラを実行した。事業リストラとしては、従来の染色加工から、静電加工などの機能加工に事業の軸足をシフトした。業務のリストラとしては、染色加工工程の見直しを行い、工程管理を徹底し、効率化を図った。これらのリストラで、企業業績が回復、見事に再生を果たした。この事例では、ターンアラウンドマネージャー(TAM、再生請負人)を派遣し、TAMのリーダーシップのもと、従業員の意識改革を実現し、従業員全員が力を合わせ再生に取り組んだことが、本質的な業績回復の成功要因であった。
 
 
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